
経済財政運営と改革の基本方針 2023(令和 5 年 6 月 16 日閣議決定)において、成長分野への学部再編や先端技術に対応した高専教育の高度化などによる学びの転の促進、未来を支える高度専門人材を育成する専門学校等の機能強化が重要課題として指摘されています。
一方、民間調査では、IT 関連製品・サービスを提供する IT ベンダーやユーザ企業の情報システム部門で活躍する IT 人材が 2030 年には 45 万人不足するとの試算もあり、地方における IT 人材不足への対応も急務です。
特に、2024 年問題も重なり、働き盛りの若者人口が少ない地方都市では、コロナ禍後の経済活動活発化に伴い人材不足が深刻化しています。
山口県中小企業家同友会では、会員企業の人材不足解消に向け、山口県と連携して採用強化に取り組んでいます。
また、山口県は産業活性化・人口減少対策として、魅力ある働き先としての企業誘致にも力を入れています。
誘致企業にとって人材採用・育成は大きな魅力となるため、地域密着型の職業教育機関との連携が不可欠です。
本事業では、以上のような地域ニーズに応えるため、中小企業で働くために必要とされる「汎用的かつ多様な能力・スキルを強みとし、協働的な働き方で ICT 技術を駆使して積極的に課題解決に取り組める人材」を育成する学科を構築します。
事業の背景・目的
1.全国的な IT 人材育成課題
① ICT 技術の発展により、従来型の一般職としてのパソコン利用技術だけでは、就職先に対応できなくなった。
②地方の中小企業においては、1つの職種に絞った人材ではなく、ビジネスと ICT 技術を複合的に融合できる人材が不足している。
③地方の中小企業内で、就業している社員に新規技術を習得させる時間が確保できない。
④高校生が地元就職したい中小企業理解が不足しており、魅力ある学習内容を提供できる学部・学科がない。
⑤情報系職種対象への地方中小企業との連携ができていない。
2.地方都市における IT 人材育成課題
①人口減少と高齢化
多くの地方都市では人口減少と高齢化が進行しており、労働力不足や市場の縮小が深刻な問題となっている。
②デジタル化の遅れ
デジタル技術の導入が遅れている地方企業も多く、生産性や競争力の向上に遅れが生じる。
また、デジタル技術に興味があっても、現役社員では現状の業務が忙しく、新規の技術習得ができていない。
③人材確保の難しさ
優秀な人材が都市部に流出しやすく、地方都市では専門的なスキルを持つ人材の確保が難しい。その中でも比較的大学生は、大手企業を好む傾向にあり、専門学生が中小企業の担い手になっている。
④企業の人材育成難
都市部に比べ中小企業の割合が多く、1人が担当する業務幅が広く、採用後の人材育成が難しくなっている。
上記の課題に対して、地方自治体や企業と専門学校が協力し合い、様々なビジネス上の課題を解決できる「デジタル分野に強いビジネスパーソン」の育成と輩出する取り組みが求められている。
また、従来の専門学校ビジネス系学科は、ビジネスマナー、簿記会計、パソコンスキル中心のカリキュラムであるが、本モデルのような、企業のニーズとシーズを調査分析、個々のビジネス教育とデジタル・IT スキルの融合、地方中小企業ならではの多様な業務に適応できる”課題解決型人材”を育成する実践的カリキュラム開発が求められている。
3.特に地方都市での IT 人材育成課題
①地方における地域中小企業の IT 人材ニーズと高校生の学習環境の乖離
地方の中小企業は、単に IT スキルを持つ人材だけでなく、地域に根差した課題解決能力やコミュニケーション能力、協調性などを備えた人材を求めている。しかし、従来の高校教育では、こうしたニーズに十分に応えられるカリキュラムがまだ整備されておらず、地方の高校生は、進学先や就職先で必要とされるスキルを十分に身につけることができない状況にある。
②高校生の進学先傾向と県内 IT 人材育成
令和 4、5 年度の学校基本調査によると山口県の高校生 9980 人のうち大学短大進学者が5,479 人、うち県内進学者が 27.4%となっており大学進学層の流出は多くなっている。
一方で、専修学校進学は 1740 人のうち県内専門課程入学者 1260 人で 72.4%となっており地元進学傾向が高い。県内中小企業のニーズに合う、さらに魅力あるカリキュラムで地元経済活性化の一翼を担う新学科設置が望まれる。
4.背景をふまえた上での本事業の特徴
①企業とともに学び成長する開発カリキュラム
山口県教育委員会による「第 3 期山口県まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、地域経済の活性化と持続可能な地域社会の実現に向けた取り組みが推進されています。
※総合戦略より一部抜粋 1.産業振興における雇用の創出(1)デジタル技術の活用による新たなビジネスの創出、(4)地域の雇用を支える中堅・中小企業の応援、2.時代を担う人材の育成と新たな人の流れの創出・拡大(2)若者や女性のやまぐちへの定着促進、4.時代に対応した持続可能な地域社会の形成(1)デジタルの力を活用した豊かな社会づくり等
上記の通り、本事業において企業と共に創る新規教育カリキュラムは、この戦略に合致した人材育成を可能にし、地域経済の活性化と持続可能な地域社会の実現に大きく貢献します。
②誘致企業との人材育成と採用不安減による誘致安定化
誘致企業にとって、人材採用は大きな課題である。本事業は、誘致企業と連携して開発するカリキュラムにより最先端の企業が求める人材を効率的に育成し、地方における採用不安を減少させ、総合戦略に掲げられた KPI 40 件の成約向上に貢献し地域経済の活性化に寄与します。
③YIC の最先端の募集広報ノウハウの活用
YIC 学院において、広報マーケティング部門における戦略的ブランディングと Web マーケティングの知見と実績がある。そのため、対象年度の高校生が進学し学び・働きたくなる仕組みづくりを企業と連携して入学者・就職者数安定化のノウハウを構築出来ます。
事業の計画・スケジュール
| 月 | 委員会の開催 | 調査・普及 | カリキュラム作成 | 企業連携 | その他 |
|---|---|---|---|---|---|
| ・事業推進委員会 ・カリキュラム作成委員会 ・企業連携委員会 ・調査・普及委員会 各5回 | ・連携高校・学校体験会開発 PBL 体験実証講座(アンケート調査) ・連携高校(高校生 PBL実証対象)開拓 ・高校生対象 カリキュラム・学科説明 PR 動画作成 ・海外研修先情報収集整理 | ・一部科目別シラバス・コマシラバス作成 ・一部教材(動画含む)作成 ・一部実証講座 実施 ・教員研修 実施 | ・一部科目別シラバス・コマシラバス作成 ・一部教材(動画含む)作成 ・一部実証講座 実施 ・教員研修 実施 | ・学科説明用動画、学科説明用プレゼン資料 ・報告書作成 ・新設学科申請書 作成準備 ・HP 作成 | |
| 6 | 事業推進① カリキュラム① 企業連携① 調査・普及① | 調査票作成、検討 高校生対象 PR 動画案作成 ・連携高校(高校生 PBL実証対象)開拓 | 一部科目別シラバス・コマシラバス作成 実証講座準備(教材含む) | 連携先企業との連携協定 実証講座、調査事業の支援 | 学科説明動画製作 学科説明用プレゼン資料製作 |
| 7 | ・高校生対象 PR 動画案作成 ・連携高校・学校体験会開発 PBL 体験実証講座 調査実施(~11月) | 教員研修 実証講座①(~9月) | 実証講座連携 ・海外研修先選定 | ||
| 8 | 事業推進② カリキュラム② 企業連携② 調査・普及② | 調査事業連携 | |||
| 9 | 海外研修先情報収集整理(~11月) | ||||
| 10 | 事業推進③ カリキュラム③ 企業連携③ 調査・普及③ | 教員研修 実証講座②(~2月) | 実証講座連携 | 学科説明動画完成 学科説明用プレゼン資料完成 | |
| 11 | 海外研修先選定・交渉 | ||||
| 12 | 事業推進④ カリキュラム④ 企業連携④ 調査・普及④ | 連携高校・学校体験会 開発 PBL 体験実証講座 | HP 改訂 | ||
| 1~2 | 事業推進⑤ カリキュラム⑤ 企業連携⑤ 調査・普及⑤ | 調査報告書作成・完成 | 一 部 科 目 別 シ ラ バス・コマシラバス完成 | 成果報告書作成 |
